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教育・研修

保険代理店の研修記録、何を残せばいい?「研修はした。でも証拠がない」を防ぐ

研修はした。でも、いつ・誰が・何を学んだか分からない。そんな状態を防ぐために、研修記録に残したい8項目、Excelで使える書式例、欠席者フォローの考え方を整理します。

著者:TAGNOTE運営最終更新日:2026年10月1日
目次 (12項目)開く

「この研修、去年やりましたよね?」

「やったはずです」

「誰が受けました?」

「……たぶん全員です」

保険代理店で研修をしていても、半年、1年経つとこういうことが起こります。

研修自体は間違いなくやった。

朝礼で説明した記憶もある。

資料もどこかに残っている。

でも、

いつやったのか。 誰が受けたのか。 何を使って説明したのか。

となると、急に分からなくなる。

今回は、保険代理店の研修について「何を勉強すればいいか」ではなく、研修したことを後から確認できるように、何を残しておけばいいかを考えます。


研修は「やった」だけでは、あとから確認できない

金融庁の現在の監督指針では、保険募集人について、保険募集に関する法令等、保険契約に関する知識、顧客情報の適正な管理などについて、保険会社が適切な教育・管理・指導を行うことが監督上の着眼点とされています。

また、保険代理店の役員や使用人についても、代理店から適切な教育・管理・指導を受けて保険募集を行うことが前提とされています。 金融庁の監督指針

つまり、資格を取ったら教育は終わり、ではありません。

商品が変わる。

ルールが変わる。

比較推奨販売の考え方が変わる。

個人情報やサイバーセキュリティについて、新しく確認すべきことが出てくる。

その都度、代理店側でも教育していく必要があります。

ただ、ここで一つ問題があります。

教育したことと、教育したことを後から確認できることは別です。


研修の実施日・受講者・使用資料を探す場面(AI生成イメージ)
研修の実施日・受講者・使用資料を探す場面(AI生成イメージ)画像を選ぶと拡大できます。

自己点検でも「何を確認したか」が必要になる

研修記録を残しておく意味が分かりやすく出てくるのが、自己点検です。

2026年度版の自己点検チェックシートでは、回答時に確認した資料名を記載し、その確認資料を、所属保険会社との自己点検結果の確認や「対話」の際に提示できるよう保存・保管することが示されています。 日本損害保険協会の手引き

つまり、

「ちゃんと教育しています」

だけではなく、

「その教育を何で確認できますか?」

という話になってきます。

以前の自己点検資料でも、確認資料の例として、研修教材やeラーニング画面に加えて、募集人全員の受講を確認できる研修履修簿などが挙げられていました。 2025年度版の自己点検チェックシート

ここで大事なのは、立派な証明書を作ることではありません。

研修内容と受講者が、あとから結びついて確認できること。

まずそこです。


では、何を残しておけばいい?

ここで参照した金融庁の監督指針は教育・管理・指導の着眼点を示しており、すべての代理店に共通する一枚の研修記録表の様式を定めたものではありません。

なので、自社で続けやすい形を作ることになります。

最初から細かくしすぎる必要はありません。

まずは次の内容が分かるようにしておくと、後からかなり追いやすくなります。

項目何を残す?例
実施日いつ研修したか2026年9月15日
研修テーマ何について学んだか個人情報の取扱い
対象者誰を対象にしたか全募集人
受講者実際に誰が受けたか8名中7名
使用教材何を使ったか社内研修資料 Ver.2
実施方法どのように行ったか対面30分
確認方法理解をどう確認したか確認テスト
未受講者対応欠席者をどうしたか9月20日に個別実施

全部を毎回細かく書かなければならない、という話ではありません。

ただ、

「いつ・何を・誰に」

くらいは最低限追える状態にしておくと、後の確認がかなり楽になります。


研修記録の簡単な書式例

たとえば、Excelならこれくらいでも十分スタートできます。

実施日研修内容対象受講状況使用資料欠席者対応
2026/4/10募集ルールの確認全募集人8名8/8名募集管理資料.pdfなし
2026/6/18個人情報管理全社員10名9/10名個人情報研修.pdf6/22に1名実施
2026/9/15比較推奨販売募集人8名7/8名比較推奨資料Ver.29/20予定

これなら、

「研修したか?」

だけではなく、

「誰がまだ受けていないか?」

まで見えます。

人数の少ない代理店なら、まずこれくらいでも十分使いやすいと思います。

管理項目を増やしすぎて誰も更新しなくなるより、毎回ちゃんと残る簡単な表の方が使えます。


研修記録に残したい8項目:実施日、テーマ、対象者、受講者、教材、実施方法、理解度確認、欠席者フォロー
研修記録に残したい8項目:実施日、テーマ、対象者、受講者、教材、実施方法、理解度確認、欠席者フォロー画像を選ぶと拡大できます。

資料だけ残っていても、少し足りない

ここはよくあります。

「研修資料ならあります」

と言って共有フォルダを見ると、

個人情報研修.pdf

がちゃんと残っている。

でも、その資料を、

誰が、いつ読んだのか分からない。

逆もあります。

出席者一覧はある。

でも、

その日に何を説明したのか分からない。

研修記録では、この二つをセットで考えると整理しやすくなります。

何を教えたのかが分かるもの。

そして、

誰が受けたのかが分かるもの。

この二つがつながっていれば、半年後に見てもかなり理解できます。


「全員にメールした」は研修記録になる?

ここも悩みやすいところです。

重要な資料をメールで全員に送った。

だから全員読んだはず。

これは、必ずしも同じではありません。

送った記録は残ります。

でも、

「本人が内容を確認したか」

までは分からないことがあります。

もちろん、すべての社内連絡について受講確認を取る必要はありません。

ちょっとした連絡まで毎回確認していたら、仕事が増えすぎます。

一方で、

  • 募集ルールの大きな変更
  • 比較推奨販売の方針変更
  • 個人情報事故を受けた再教育
  • 新しい社内規程の重要部分
  • 新人募集人への基礎教育

など、代理店として「全員に理解してもらった」と確認したい内容なら、

メールを送るだけで終わらせず、

受講確認や簡単なレポート、確認テストなどを組み合わせる方法もあります。


朝礼で説明した内容はどうする?

毎日の朝礼を全部研修記録にする必要はありません。

それでは、記録するための記録になってしまいます。

ただ、

「今日から比較推奨販売の説明方法を変えます」

「個人情報の持ち出しルールを変更しました」

「この苦情事例を受けて、今後はこの方法で対応します」

といった重要な話をしたのであれば、

その説明を行ったことを簡単に残しておく

価値があります。

たとえば、

2026年9月20日 朝礼にて比較推奨販売の新ルールを説明 対象:募集人8名 出席:7名 欠席者1名は翌日個別説明

これくらいでも十分分かります。

「研修会」という名前で開催したかどうかではなく、

あとから代理店として説明できた方がよい教育・周知だったか

で考えると整理しやすいです。


一番抜けやすいのは「欠席した人」

全員研修をやった。

でも、その日一人休んでいた。

これは普通にあります。

問題はその後です。

研修当日は、

「あとで説明しておこう」

と思います。

でも忙しいと忘れる。

あるいは、ちゃんと説明したのに記録だけ残っていない。

半年後には、

「この人、受けてたっけ?」

となります。

なので研修記録を見るときは、参加者だけでなく、

未受講者が残っていないか

を見るようにすると分かりやすいです。

欠席者へ後日実施したら、その日付を追加する。

これだけでかなり違います。


8名対象、当日7名受講、1名未受講、後日フォローを経て8名完了まで確認する流れ
8名対象、当日7名受講、1名未受講、後日フォローを経て8名完了まで確認する流れ画像を選ぶと拡大できます。

「受けた」だけでなく、理解できたかも少し考える

出席したから、それで教育が完了。

必ずしもそうとは限りません。

金融庁の監督指針では、保険募集人の育成や資質向上のための教育・管理・指導を行うことが求められています。商品についても、顧客に十分な説明ができる知識を付与するための教育が着眼点となっています。 金融庁の監督指針

なので内容によっては、

「参加しました」

だけではなく、

本当に理解できたかを見る方法を入れてもいいでしょう。

たとえば、

簡単な確認テスト。

短いレポート。

ロールプレイ。

管理者との確認。

などです。

毎回試験を行う必要はありません。

ただ、重要な募集ルールを変えたときに、

「資料は配ったので終わり」

ではなく、

実際に理解できているかを見る

という考え方は持っておきたいところです。


社内規程にも、研修記録の残し方を入れておく

研修記録は、担当者が気が向いたときに作るのではなく、

「研修をしたら、こう記録する」

と社内で決めておくと続けやすくなります。

私たちが提供している保険代理店向けの自己点検・教育管理サービス「TAGNOTE」では、収録している保険業務規程の教育計画について、たとえば次のような内容を置いています。

TAGNOTE収録規程例:第24条「教育計画」

採用時、募集開始前、商品改定時および定期的に、法令、顧客本位、商品、意向把握、比較推奨、高齢者対応、個人情報、サイバー、苦情・不適切事案等の教育を行う。

研修日時、教材、講師、受講者、理解度、欠席者フォローおよび再教育を記録する。

この文章のポイントは、

「研修を実施する」

だけで終わっていないことです。

実施後、何を残すかまで規程にしている。

ここまで決めておくと、

担当者が変わっても、

「今回は何を残せばいい?」

から考え直さずに済みます。

もちろん、この文例がそのまますべての代理店に当てはまるわけではありません。

代理店の規模、扱う商品、所属保険会社のルール、実際の教育方法に合わせて調整する必要があります。

TAGNOTEでは、このような教育に関するものを含め、TAGNOTEに収録している保険業務規程テンプレート一式を利用できるようにしています。


TAGNOTEでは、研修計画から確認記録までつなげる

研修記録で面倒なのは、記録表を作ることだけではありません。

年間の予定はカレンダー。

研修資料は共有フォルダ。

誰が受けたかはExcel。

レポートはメール。

社内規程は別のフォルダ。

となると、結局また探すことになります。

TAGNOTEでは、

研修計画を作り、

対象者へ割り当て、

受講者がレポートを提出し、

管理者が確認する。

その流れを、社内規程や自己点検と一緒に管理できるようにしています。

TAGNOTEの実画面:募集人・管理者の受講レポート(デモ環境・会社名や氏名、数値はサンプル)
TAGNOTEの実画面:募集人・管理者の受講レポート(デモ環境・会社名や氏名、数値はサンプル)画像を選ぶと拡大できます。

ただ、専用サービスを使うこと自体が目的ではありません。

Excelで十分管理できているなら、それでも構いません。

大事なのは、

「去年研修したはず」ではなく、「ここを見れば、いつ誰が何を受けたか分かる」状態にすることです。


まず、直近の研修を一つだけ確認してみる

最近やった研修を一つ思い出してください。

その研修について、

いつやったか。

何をやったか。

誰が対象だったか。

誰が実際に受けたか。

何の資料を使ったか。

ここまで、すぐ確認できるでしょうか。

全部分かるなら、かなり整理されています。

逆に、

メールを探す。

担当者に聞く。

共有フォルダを何か所も見る。

それでも分からない。

という状態なら、次の研修から簡単な記録を残してみる。

過去分を全部整理してから始める必要はありません。

次の一回から、ちゃんと残す。

それだけでも、一年後の自己点検はかなり楽になります。

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